「三角屋根と銀色の筒。改」
冬のある日の寒い朝。
電車のつり革に掴まりながらいつもと同じ風景をぼんやりと眺めている。
すると流れる車窓から大きな建物の三角屋根が視界に入った。
その屋根の上には背は高く、冷たそうで灰色かつ三角形、上部が丸い筒達が横一列に何本も整列している。
その筒の上部から各々白い煙が霧のように立ち昇りそして消えてゆく。
グレーで重い曇り空の雲の切れ目から時折差し込んでくる細くて弱々しい光をキラキラと美しく拡散させながら。
見ていたのは電車が通り過ぎるほんの数秒間だったのかもしれないが、二度と同じ出会いはないであろうとても印象的な朝の風景。
2016-1031